カテゴリ: ビジネスローンの解説
開業前と開業後のビジネスローンの違いについて
一般的にビジネスローンと呼ばれている商品はその用途によって様々な種類があり、実際に利用する際は、その用途に応じた商品を選択することになると思います。
そのように多種多様なビジネスローンを細かく分類すればきりがないのですが、大きく分類すれば「開業前に必要な資金の融資」と「開業後に必要な資金の融資」の2種類に大別することができます。
この両者は、同じビジネスローンと言っても、その性質も、審査上の考え方も全く違ったものになるので要注意です。
【開業資金としてのビジネスローン】
ビジネスローンと呼ばれる商品の中には、開業資金の融資を目的としているものもあります。
開業資金の融資を受けたいということは、申込みをする段階ではもちろん開業前なので、事業に対して何の実績もない状態です。
また、事業開業前なので、申込者自身が無職であったり、職についていても、近日中に離職することが決定しているといった状態です。
このような状態の方に開業資金として高額の融資を行うことは、貸金業者にとっても非常にリスクの高いことと言えます。
(業種にもよりますが、飲食店のケースですと、起業して2年後には、その半数近くが撤退しているといった統計もあります。)
そのため、多くのノンバンクでは、開業資金としてのビジネスローンの取扱いをしていません。
取扱いをしている会社でも、不動産担保などが条件であったりするので、無担保、無保証で融資を受けることは非常に困難と思われます。
また、申込者が前職、何をしていたかということもポイントになってきます。全く畑違いの業種で独立起業する人は少ないと思いますが、これから起業する業種について、どのくらいの知識と経験があるかという観点からは、同業種に長年、勤めていた方の方が、やはり有利と言えます。
また、担保などの条件が揃えれない方は、日本政策金融公庫などの政府出資の政策金融機関では3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで無担保・無保証人でご利用できる新創業融資制度もあるので、問い合わせするのも良いでしょう。
【開業後のビジネスローン】
開業後も、経営者はいつ何時、重要な経営判断を求められるかわかりません。そのような急な資金需要に対してノンバンクのビジネスローンは選択肢も多く役立ちます。
開業後のビジネスローンでのポイントはやはりその開業年数になってきます。開業間もない方よりも、長年、事業に実績のある方の方が、審査は圧倒的に有利です。
前述したように開業後2~3年以内で倒産する店は圧倒的に多く、10年間でかなりの店が淘汰されます。そのような状況からも、開業前融資ほどではないにしろ、開業後間もない事業への融資はかなりリスクの高い行為だと言えます。
その逆に、起業してからウン10年経過といったような商売には、その実績が加味されるので、審査はかなり通りやすくなります。
ノンバンクのビジネスローンでは、このように、一時の爆発力よりも、「安定性」「継続性」が重視されます。
また、開業後どのくらいから、審査が可能かということは、各会社の基準にもよりますが、開業して1年以上であれば、審査可能としている会社も多くなってきます。
このように金融機関やノンバンクの各事業者ローンは、商品特性を把握した上で、さらに各社の、金利・融資額・審査スピード・返済期間などをしっかり比較して利用するのが有効な手段です。